アメリカ留学の費用を抑える方法
アメリカの大学や大学院への進学はとてもお金がかかります。一人暮らしでただでさえお金がかかるのに加え、学費が非常に高額なのが主な理由です。この傾向はトップスクールに行こうとするほど顕著になります。何故なら、Ivy LeagueやSatnfordなどアメリカの有名校には私立大学が多く、公立大学で同レベルにあるようなUC Berkeleyなどの学校の学費も、こういった私立大学との競争の中でかなり上がってきており、留学生にとっては私立大学とさして変わらない学費の水準になっているからです。尚、アメリカの私立大学の学費は何に数百万円、というレベルなので、同じ私立でも日本の私立大学よりもかなり高額になります。
こうした状況の中、アメリカで費用を抑えつつ、意味のある留学をするにはどうしたらよいのでしょうか。私のお勧めは以下です。
1. お買い得の学校を選ぼう
2. 日本で応募できる奨学金は全て応募する
3. アメリカの奨学金も応募する
4. 大学のTAができる機会を探そう
5. インターンは積極的に探す
6. リターンをきちんと考えて行動する
1. お買い得の学校を選ぼう
留学を検討しはじめた時にありがちなのが、アメリカに行きたい -> とりあえず有名校、というパターンで、あまりの学費の高さに撃沈する人がたくさんいます。おすすめはUS Newsの専攻ごとのランキングを見ることです。例えばコンピュータサイエンスであれば、
https://www.usnews.com/best-graduate-schools/top-science-schools/computer-science-rankings
これを見てTop 25くらいまでで予算に収まる学校を調べるのがよいと思います。尚、アメリカは真の意味で学歴社会なので、修士のレベルを元にしたランキングが主流です。ビジネスのような職業的な専攻を除けば、学士はあくまで修士にくっついているもの、というイメージですね。
全体的なイメージを掴むのであれば、こういった特集も役に立ちます。
https://www.forbes.com/best-value-colleges/#268e7813245b
いずれにせよ、ポイントとしては名前に飛びつかない方が留学費用を抑えられる可能性が高まる、ということです。
2. 日本で応募できる奨学金は全て応募する
奨学金には、返済義務のある貸与型と返済不要の給付型の2種類があります。留学費用を抑える、という観点から、ここでは主要な給付型を提供している機関をリストにして紹介します。
日本政府 - トビタテ!
日本学生支援機構(JASSO) - 海外留学支援制度
世銀 - Joint Japan/World Bank Graduate Scholarship Program (JJWBGSP)
フルブライト奨学金
ロータリー財団
伊藤国際教育交流財団
神山財団
船井情報科学振興財団
ICC国際教育委員会
一つ知っておいた方がよいのは、これらの奨学金は競争率がさほど高くないものもあると言うことです。きちんとした対策をして望めば、それなりの額の給付を貰える可能性も高いと思います。
3. アメリカの奨学金も応募する
アメリカ現地の奨学金は外国人を対象としていないものも多々ありますが、中には間口が広く、日本人の留学生が受け取れるものもあります。殆どの大学はFinancial Aidのセクションがあるはずなので、ウェブサイトを隅々までチェックして、応募できるものは応募します。更に、現地入りしたら、留学生向けのInternational Officeのようなところで奨学金を職員と一緒に確認しましょう。中にはウェブサイトに出ていない情報(アジア系の学生限定など)があったりします。
尚、アメリカでは大学に合格した際、入学してもらうために、返済不要の奨学金を付与するケースが多々あります。複数大学から合格した場合、かならず奨学金の有無や多寡についてネゴりましょう。私の場合ですが、額が若干増えました 笑。アメリカは本当に交渉社会なので、ネゴったもの勝ちです。失礼にならない程度に頑張りましょう。
4. 大学のTAができる機会を探そう
これは大学院生、博士課程で特に有効な手だと思いますが、TAになると授業料の一部が免除されたりします。TAの募集はウェブサイトなどに出ていることが多いので、こまめにチェックして教授に連絡します。TAになれるか否かは関連するコースのGPAや過去の論文の質、英語力、教授とのコネ(これが一番大事)などで決まるので頑張りましょう。
TAになると生徒の答案の採点や、週に数回のOffice Hour、そしておそらく週に一回くらいの授業(教授がその週にカバーした内容をrecapするようなもの)をする必要がありますが、毎学期やればかなりの学費をセーブできます。たまに学生からのフィードバックが、英語が分かりづらい、など辛辣なことはありますが、時間対比で考えるとおいしい時間の使い方だと思います。
5. インターンは積極的に探す
今でこそインターンは日本でも一般的になりつつありますが、アメリカの大学だと殆どの学生が夏休みはインターンをします。所謂トップスクールであれば、月に80万円近く稼げるようなインターンの機会もあるので、これらを積極的に活用しない手はありません。私は日本でのインターンは経験が無いのですが、年に一度、ボストンキャリアフォーラムなるものが開催されているようで、行くと以下のような外資系企業の日本支社のインターンが獲得できるチャンスがあるようです。
外資系投資銀行
外資系コンサルティング
外資系IT企業
外資系コンシューマー企業
外資系製薬企業
他にも楽天などがインターンを募集しているようです。
ボストンキャリアフォーラムについては、日本の会社向けの面接対策をしていく必要があるようなので、その点は注意が必要です。
私の場合は、アメリカでインターンをしました。この辺のコツはまた別途纏めたいと思いますが、アメリカでのインターンはコネと学歴がほぼ全てです。GAFAのような大企業でのインターンを獲得できれば、素晴らしい待遇がまっています。
6. リターンをきちんと考えて行動する
究極的には、学費が高いか否か、というのは投資とリターンのバランスで決まります。留学して1,000万円余分に使ったとしても、給料に年間で300万円の差が出るのであればすぐに取り返せるわけなので、長期的な観点から考えるのがよいと思います。
逆に言うと、留学して年功序列的な給与体系のところに就職してしまうと、留学したか否かが将来得られる価値に直結しないので、少しもったいないな、という風には思います。
留学する前に、どういったキャリアを歩むのか、というのは中々想像が難しいところもあると思うので、実際に留学している人の意見を聞くのが一番だと思います。
如何でしょうか。留学の場合、やり遂げるには熱量が大事なのですが、一方できちんと費用を抑える方法をとることで、よりよい数年間になると思います。